紛争処理と被害救済

公害紛争処理法(1970年6月)

公害紛争の迅速・適正な解決を図るため、司法的解決とは別に公害紛争処理法に基づき公害紛争処理制度が設けられています。公害紛争を処理する機関としては、国に公害等調整委員会が、都道府県には都道府県公害審査会等が置かれています。

昭和30年代後半以降の日本が高度経済成長を遂げつつあった時代に公害の発生も増加し、水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病など、大気汚染、水質汚濁等による悲惨な疾病が多発し、その被害住民と発生源とされた企業との間で大規模な紛争が生じましたが、このような公害に係る紛争には、(1)当事者が多数にわたること、(2)その被害が単に財産的なものにとどまらず、直接人の生命や健康に及ぶこと、(3)被害の認定、加害行為と被害との因果関係の究明、被害額の算定が困難であること等特有の問題がありました。

公害紛争を解決する主要な手段としては、従来から、裁判所における司法的解決がありましたが、民事裁判においては、(1)被害者にとって、原因と被害発生との因果関係の立証が困難な場合が多いこと、(2)訴訟に多額の費用を要すること、(3)手続が厳格なために、判決の確定による最終的な解決までに相当の年月を要すること等により、被害者救済のためには必ずしも十分とはいえず、公害紛争の迅速かつ適正な解決には限界があったために制定された法律です。

北海道における昭和62年のスパイクタイヤ粉じん被害に係る申請はスパイクタイヤ製造メーカー7社に対する製造中止を求めるもので、昭和636月に調停が成立しています。その後、平成元年に北海道はスパイクタイヤ対策条例を、国は平成2年にスパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律を制定しています。

 

1 法律の目的

第1条 この法律は、公害に係る紛争について、あつせん、調停、仲裁及び裁定の制度を設けること等に

より、その迅速かつ適正な解決を図ることを目的とする。

 

2 言葉の定義

第2条 この法律において「公害」とは、環境基本法 (平成五年法律第九十一号)第二条第三項に規定す

る公害をいう。

健康被害補償法(1973年10月)

公害健康被害の補償等に関する法律

 公害被害の特殊性から汚染原因者負担等を前提とした民事責任を踏まえつつ、公害健康被害者を迅速かつ公正に保護するため制定された法律です。

 補償等の対象者は、第一種地域 :相当範囲の著しい大気汚染による気管支ぜん息等の疾病が多発している地域で、当初、四日市、東京19区等41地域が指定されていますが、昭和63年法改正によりすべて解除されています。また、第二種地域 : 水俣病、イタイイタイ病等原因物質との因果関係が明らかな疾病が多発している地域で、申請に基づき、指定地域の都道府県知事等が認定した者です。

 補償給付の内容としては、療養の給付及び療養費、障害補償費、遺族補償費、遺族補償一時金、児童補償手当、療養手当、葬祭料の7種類です。

 

1 法律の目的

第1条 この法律は、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる著しい大気の汚染又は

水質の汚濁(水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)の影響による健康被害に係る損害を填補するための補償並びに被害者の福祉に必要な事業及び大気の汚染の影響による健康被害を予防するために必要な事業を行うことにより、健康被害に係る被害者等の迅速かつ公正な保護及び健康の確保を図ることを目的とする。

 

2 地域及び疾病の指定

第2条 この法律において「第一種地域」とは、事業活動その他の人の活動に伴って相当範囲にわたる著

しい大気の汚染が生じ、その影響による疾病(次項に規定する疾病を除く。)が多発している地域として政令で定める地域をいう。

2 この法律において「第二種地域」とは、事業活動その他の人の活動に伴って相当範囲にわたる著

 しい大気の汚染又は水質の汚濁が生じ、その影響により、当該大気の汚染又は水質の汚濁の原因で

 ある物質との関係が一般的に明らかであり、かつ、当該物質によらなければかかることがない疾病

 が多発している地域として政令で定める地域をいう。

3 前二項の政令においては、あわせて前二項の疾病を定めなければならない。

4 環境大臣は、前三項の規定に基づく政令の制定又は改廃の立案をしようとするときは、中央環

 境審議会並びに関係都道府県知事及び関係市町村長の意見を聴かなければならない。

石綿健康被害救済法(2006年2月、2011年8月30日改正)

石綿による健康被害の救済に関する法律

平成17年6月に機械メーカーが石綿(アスベスト)と因果関係がある中皮腫患者の従業員と補償の状況を公表したことにより社会的な問題となり、制定された法律です。アスベスト新法と呼ばれる場合があります。

石綿による健康被害に関しては、仕事中に接触した労働者だけでなく、労働者が持ち帰った作業着等に付いた石綿を吸い込んだ家族なども病気になることがあります。仕事により発症したときは労災補償の対象となりますが、それ以外の被害者を迅速に救済するために制定され、平成18年3月27日から施行されています。労災補償の対象とならない周辺住民などに対して救済給付が支給されるとともに、労災補償を受けずに亡くなった労働者のご遺族の方に対して特別遺族給付金が支給されます。

 石綿による病気には、中皮腫や肺がん等があり、非常に長い期間が経ってから発症すること、どのような状況で石綿を吸い込んだのか明らかにすることが難しいこと等の特徴があります。石綿によって健康被害を受けた方々の救済を充実するために、石綿健康被害救済法が改正され、平成23年8月30日に施行されました。この改正により、特別遺族給付金の請求期限が延長されるとともに、支給対象が拡大されています。

 石綿には、白石綿、青石綿、茶石綿等の種類があり、建築材料、ビニール床タイル、ペイント塗料等などにこれまで広く使われていました。石綿を使った建材製品は1955年ごろから使われ始め、ビルの高層化や鉄骨構造化に伴い、鉄骨造建築物などの軽量耐火被覆材として、1960年代の高度成長期に多く使用されました。また石綿は安価で、耐火性、断熱性、防音性、絶縁性など多様な機能を有していることから、耐火、断熱、防音の目的で使用されてきました。その使用形態は以下のようなものがあります。

・吹き付けアスベスト

・吹き付けロックウール(1968年ごろから1980年ごろまで石綿を混ぜて使用。)

・アスベスト保温材(石綿含有保温材、耐火被覆板等)

・アスベスト成形板(石綿スレート、パルプセメント板、石綿セメントサイディング等)

・その他のアスベスト製品(石綿セメント製パイプ状製品:煙突や排気管などの低圧管

と上下水道用高圧管等)

 

1 法律の目的

1 この法律は、石綿による健康被害の特殊性にかんがみ、石綿による健康被害を受けた者及びその遺

族に対し、医療費等を支給するための措置を講ずることにより、石綿による健康被害の迅速な救済を図ることを目的とする。


2 言葉の定義

2 この法律において「指定疾病」とは、中皮腫、気管支又は肺の悪性新生物その他石綿を吸入する

ことにより発生する疾病であって政令で定めるものをいう。

2 この法律において「死亡労働者等」とは、労働保険の保険料の徴収等に関する法律 (昭和四十四

 年法律第八十四号。以下「徴収法」という。)第三条 に規定する労働者災害補償保険(以下「労災

 保険」という。)に係る労働保険の保険関係が成立している事業(以下「労災保険の保険関係が成

 立している事業」という。)に使用される労働者又は労働者災害補償保険法 (昭和二十二年法律第

 五十号。以下「労災保険法」という。)第三十四条第一項第一号 、第三十五条第一項第三号若しく

 は第三十六条第一項第一号の規定により労災保険の保険関係が成立している事業に使用される労働

 者とみなされる者であって、石綿にさらされる業務に従事することにより指定疾病その他厚生労働

 省令で定める疾病にかかり、これにより死亡したもの(昭和二十二年九月一日以降に当該指定疾病

 その他厚生労働省令で定める疾病にかかり、これにより、この法律の施行の日(以下「施行日」と

 いう。)から十年を経過する日(以下「十年経過日」という。)の前日までに死亡した者に限

 る。)をいう。

 環境大臣は、第一項の政令の制定又は改廃に当たってその立案をするときは、中央環境審議会の

 意見を聴かなければならない。

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行政書士事務所 環境」の

武田 義(ただし)は、環境

保全に関する法令(大気汚染

防止法、水質汚濁防止法、廃

棄物処理法など)について、

長い実務経験があります。

 

<<保有資格>>

・行政書士

 (登録番号10012321)

・ISO14001

 CEAR環境審査員補  

 (C01350)

・HES

(北海道環境マネジメント

 システムスタンダード)

 主幹審査員(H035)

・環境カウンセラー

 (事業者部門、 

  登録番号2011101001)

・エコアクション21審査 

 (認定・登録番号140012)

・地域カーボン・カウンセラー

・産業廃棄物処理業の許可申請

 に関する講習会(新規)収集運

 搬課程及び処分課程修了

 (第115060028号及び

 第215108045号)

一般社団法人北海道成年後見

 支援センター会員

行政書士用電子証明書取得

(セコムパスポートfor G-ID)